面談には辛抱が必要
夏の賞与面談、実施された企業も多いことと思います。
一言で言えば「話をする時間をもつ」、それだけの面談。でも、これがなかなか上手くいかない場合が多いようです。
今回も、面談を実施した企業でお話しをうかがってみました。
「面談をした側(上司)」には、「まあ、よかったんじゃないか」 とおっしゃる方が案外多いのはいつものこと。一方、「面談された側(部下)」はというと、「あまり良い時間ではなかった」、そんな感想が多かったのです。
ところがAさん(30代男性)は違いました。
「今度の課長には安心して話ができました」とおっしゃったのです。
「『安心して話ができた』って?」と、もうすこし詳しくうかがってみました。
「ここだけの話、前の課長には、何か言うとすぐに『そうじゃない』みたいなことを言われました。 だから『話さなきゃ良かった』って後悔したんです。 だけど今度の課長は、何を言ってもちゃんと聞いてくれました。だから安心して話ができたんです。」
ちゃんと聞いてくれる⇒安心して話ができた という構図だったようです。
話を聞く側(上司)からすると、部下がちょっと考え違いをしていると感じると、すぐに、「それは違う!!」と言いたくなってしまうもの。そう、直してもらわなければいけませんから。けれどもそれをやってしまうと、部下は話をする気を無くしてしまいます。「ああそうか、教えてもらえてよかった」という気持ちよりも、「自分の言う事を聞いてくれない」というイヤな感じが大きくなってしまうのでしょう。
部下の間違いを正すのは大切なことです。けれども、先ずは、思っていることを安心して話せるようにしてあげること。話してもらわなければ、部下の考えていることが合っているのか間違っているのか、それすらわかりませんから。
「安心して話しができる」と思ってもらう、そのためには、たとえ部下が間違ったこと、ちょっとばかりおかしなことを言ったとしてもすぐに否定しないでグッと辛抱し、先ずは部下の考えを聞く、考えていることを受け止める。そう、「あーそうか、そう考えたんだ」と。指摘や訂正はその後です。それではじめて部下は安心して話ができる。
「話をする時間をもつ」、ただそれだけといえばそれだけですが、面談には辛抱も!!必要なのです。