社員をヤル気にさせるのが上手い社長
大阪の天彦(てんひこ)産業。
社内委員会活動が活発で、法政大学の坂本光司先生も、著書「なぜこの会社はモチベーションが高いのか」で紹介をしていらっしゃる会社です。
その天彦産業の、樋口友夫社長さんの講演会に参加しました。
社長のお話ををうかがいながら、社員のモチベーションがそんなに高い理由は何だろう、と考えていましたが、講演中は今ひとつスッキリしなかったのです。
けれども、講演後の懇親会で奥様とやり取りをさせていただいたときに、その答えが。
「委員会活動、すごいですね〜。」
「そうなんですよ(ニコニコ)。でもそれだけじゃなくって、フットサルのクラブもできちゃったんです。」
※ フットサル : ミニサッカーのような競技
「え?フットサルですかぁ。それはどうやってできちゃったんですか?」
「社長が社員の採用面接をした時、その人が『僕、本当はサッカー選手になりたかったんです』って言ったんですって。それで社長が、『じゃあ、うちの会社に入って自分がクラブをつくればいいじゃないか』って。」
「なるほど!さすが樋口社長さん。それで?」
「そうしたら、その社員がうちに入って、仲間を集めてクラブをつくったんです。」
「本当にやっちゃったんですね。」
「ええ、そしたら社長が『クラブの名前、自分達で好きに決めていいぞ』って。」
「自分達で!」
「そう。それでまたね、フットサルの大会で結構いいところまでいったんですよ。」
「へ〜。」
「そうしたら社長が、今度はご褒美にユニフォームつくってやるって。」
「ユニフォームも自分達で?」
「そうなんですよ。」
「本当はサッカー選手になりたかった。」
入社を希望する社員のそんな言葉を聞いて、「うちでクラブをつくればいいじゃないか」と言った社長さん。
そしてクラブの名前も自分達で決めさせ、がんばったからとユニフォームも自由に作らせてあげた。
社員の言葉をきちんと受け止める。自分達で決めさせる。しっかり認めてご褒美もあげる。
きっとこういう事の積み重ねで社員のモチベーションが高くなっているんだろうなーと納得。私もすごくスッキリしました。
ちなみに。
社長さんにそのクラブのお話しをうかがったら、
「クラブの名前、『天彦(社名)クラブ』にでもしてくれると思ったら、「のこのこクラブ」なんですよと、笑っていらっしゃいました。
鋼材を扱っている会社です。ノコギリからもじったのでしょう「のこのこ」というクラブ名、私は、すごくいい!と思いました。